掃除に便利なメラミンスポンジ、使ったことがある方も多いのではないでしょうか。
手軽に購入でき、簡単に使える製品ですが、パッケージの注意書きを読むと案外注意事項が多い商品です。
私はタイル、水栓、台所シンク、洗面台などの掃除に利用していますが「多分使って大丈夫だろう…」という感じで、本当になんとなく利用していました。
でも、ふと「メラミンスポンジの使える範囲は?私の使い方は間違ってない?」と疑問に思ったので調べてみました。
メラミンスポンジとは
子供用の食器などによく使われている耐久性が高く硬さのある素材、メラミン樹脂を発泡させて作ったスポンジです。
特徴は硬くて非常に細かい網目状の構造。
断熱性、吸音性などに優れ、建築や機械の耐熱や防音にも利用されているのと同時に、掃除用としても広く使われています。
水を含ませて軽くこするだけで洗剤を使わずに汚れを落とすことができます。
汚れを落とす仕組み
硬い網目状の構造で汚れを削り落とすというのが、メラミンスポンジが汚れを落とす仕組みです。
掃除用具というと汚れを分解したり拭き取ったりするイメージですが、メラミンスポンジは研磨材の一種なのですね。
実際、使用していると細かい削りかすが出てきて、スポンジ本体はどんどん小さくすり減っていきます。
まるで消しゴムのようなイメージでしょうか。
そして研磨材という特性上、掃除に使える場面は実は限定されています。
メラミン樹脂よりも硬い素材に使うには大丈夫ですが、柔らかい素材に使うと傷が付いてしまうので注意が必要です。
メラミンスポンジの硬度
硬さを表す基準のひとつにモース硬度というものがあります。
これは、あるものでひっかいた時の傷のつきにくさを表す基準で、1から10までの数値で表され、数字が大きいほど傷つきにくいとされています。
例えばモース硬度2.5の象牙とモース硬度5のガラスをこすり合わせると、ガラスは傷つかず、象牙が傷つくということです。
メラミン樹脂のモース硬度は4だそうです。
ですので、理論上はモース硬度が4より高い素材の汚れ落としには使用してもよい、ということになります。
今私の手元にある商品「落ち落ちVキング」(ダイソー)のパッケージの注意書きによると
使用に適した場所
・ガラス
・くもり止め加工などの表面加工されていない鏡
・陶磁器
・タイル
・光沢のないステンレス
・光沢の気にならないプラスチック面
・防汚加工など表面加工されていない面 など
使用に適していない場所
・凹凸がある面
・くもり止め加工などの表面加工された鏡
・樹脂加工製品
・塗装面
・アルミ
・光沢のあるステンレス・プラスチック面
・コーティング面
・防汚加工など表面加工された面など
とあります。
最初、これを見て「回りくどくてわかりにくい」と思ってしまったのですが、要は
メラミン樹脂より硬い素材なら使ってOK
柔らかい素材には使わないこと
ということなのですね。
メラミンスポンジを使えない場所
まずは、注意すべき使えない場所から見ていきます。
・プラスチック
プラスチックはあまり硬くはない素材なのでメラミンスポンジで傷がつきます。
「落ち落ちVキング」の商品説明には光沢の気にならないプラスチック面には使って良いとありますが、光沢の有無にかかわらず小キズを付けたくないものには使わないほうが良いと思います。
特に水回りのアイテムは、小キズのところから汚れたり、カビたりするのが気になるので私は使わないことにしました。
・アルミ
アルミはモース硬度2.75なので使えません。
・樹脂加工製品
樹脂加工製品と言われてもわかりにくいですよね。
FRP(繊維強化プラスチック)製の浴槽、人造大理石、アクリル、テフロン加工、シルバーストーン加工などが含まれます。
・光沢のあるステンレス
鋼(ステンレスも鋼の一種)のモース硬度は5から8.5だそうです。
理論上は使っても大丈夫そうに見えますが、やはり何回も擦ったりすると、傷が付くようです。
・木材
フローリングには使えません。ワックスが削れるおそれがあります。
ただし、無垢材の汚れを木ごと削り落とすつもりで使うことはできます。
・漆器
塗りをはがしてしまうので使えません。
・塗装面・プリント面
素材がガラス、陶磁器などメラミン樹脂より硬い素材でも、表面に塗装やプリントしてあるものは要注意です。
使いたい場合はプリントが削れることがあるので目立たないところで確認してください。
・各種コーティング加工されている面
防汚加工、曇り止め加工など、表面加工全般には使えません。
加工を削り落としてしまう可能性があります。
特に気を付けたいのは、メラミンスポンジを使用してもよいとされるガラス、陶磁器などの中には表面加工されているものがあります。
例としては
・浴室、洗面所の鏡やガラス
・車のフロントガラス
・陶器の洗面ボウル、便器
などです。
これらは防汚加工、防水加工、ツヤ出し加工などがしてあることも多いです。
メラミンスポンジでこすると加工をはがしてしまうことになり、かえって汚れが付きやすくなるので注意が必要です。
使用する場所がコーティング加工されているかどうか、製品の説明書などで確認してから使用するようにしましょう。
メラミンスポンジを使える場所
ひととおり使えない場所をチェックしたので、次に使える場所を見ていきます。
・ガラス・鏡
ガラスのモース硬度は4.5から6.5です。表面加工のないものに使えます。
・陶磁器・ホーロー
こちらも表面加工のないものに使えます。
コップの茶渋落としにも効果があります。
・タイル
タイルの汚れには使えます。ただし、目地の汚れは落ちない場合があるそうです。
・光沢の気にならないステンレス・プラスチック
ただし、象印のステンレスボトルのお手入れにはメラミンスポンジを使わないようにと書かれています。詳しくはこちら
他社製品についてはわかりませんが、同じようにステンレスボトルには使用しないほうがよいのかもしれません。
・水栓
ほとんどの水道の蛇口はクロムメッキが使われています。
クロムのモース硬度は7です。メラミンスポンジが使えます。
ただし、これらのものに使用する時も傷がつくのを避けるために
強くこすりすぎない、何回もこすりすぎない
ということに気を付けてください。
使用上の注意
・人体に使用しない
歯や肌の汚れを落とそうとメラミンスポンジでこするのは危険です!
・傷が付いては困るものの場合はあらかじめ目立たないところで試す
・メラミンスポンジに塩素系漂白剤など、次亜塩素酸ナトリウムが入っている洗剤を使用しない
・長時間使用する時や、肌の弱い方は手袋を着用する
研磨材のため、肌を傷つけることがありますので注意!
まとめ
調べてみれば調べてみるほど、メラミンスポンジが使用できるところは限定されていることがわかりました。
参考までに、私が今まで使用したことのある素材について、私自身の体感では
水栓、タイル→何度もごしごしこすっても問題なし
ステンレスのシンク(光沢あり)→何度も使っていたらなんとなく曇ったような…?
という感じです。
水だけで汚れが落とせてとても便利な製品ですが、使う場所の素材をしっかりチェックして使いましょう。
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